【資料室】ESP32シリーズの世代別情報

esp32-c6 ESP32

Espressif Systems社のWi-Fi/Bluetoothマイクロコントローラ「ESP32」シリーズは、初代の登場以来、様々な特徴を持つ新しい世代がリリースされています。各世代のSoC(System-on-a-Chip)の発表時期と、それを搭載した代表的なモジュールの発売日、そして主な特徴を世代ごとにまとめました。

ESP32シリーズの世代別情報

世代 (SoCシリーズ)SoC発表/発売(シルバーの正方形)代表的なモジュール(基盤全体)モジュール発売日 主な特徴
ESP32 (クラシック)2016年9月ESP32-WROOM-32
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2016年9月CPU: デュアルコア/シングルコア Xtensa LX6<br>無線: Wi-Fi 4 (802.11n), Bluetooth v4.2 BR/EDR & BLE
ESP32-S22019年9月ESP32-S2-WROVER, ESP32-S2-MINI2020年頃CPU: シングルコア Xtensa LX7<br>無線: Wi-Fi 4<br>特徴: USB OTG対応、低消費電力
ESP32-S32020年12月ESP32-S3-WROOM-12022年5月CPU: デュアルコア Xtensa LX7<br>無線: Wi-Fi 4, Bluetooth 5 (LE)<br>特徴: AI/ML命令の高速化、USB OTG
ESP32-C32020年11月ESP32-C3-WROOM-02, ESP32-C3-MINI-12022年8月CPU: シングルコア 32-bit RISC-V<br>無線: Wi-Fi 4, Bluetooth 5 (LE)<br>特徴: RISC-Vアーキテクチャ採用、コスト効率とセキュリティを重視
ESP32-C62021年4月ESP32-C6-WROOM-1
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2024年5月CPU: シングルコア 32-bit RISC-V<br>無線: Wi-Fi 6, Bluetooth 5 (LE), Zigbee, Thread (802.15.4)<br>特徴: Wi-Fi 6と複数のIoTプロトコルに対応
ESP32-H22021年頃ESP32-H2-MINI-12024年5月CPU: シングルコア 32-bit RISC-V<br>無線: Bluetooth 5 (LE), Zigbee, Thread (802.15.4)<br>特徴: Wi-Fi非搭載、低消費電力の無線通信に特化
ESP32-P42023年末~2024年初頭(開発キットが順次登場)(2024年以降)CPU: デュアルコア 32-bit RISC-V<br>特徴: 高性能なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)やマルチメディア処理向け

各世代の概要

ESP32 (クラシックシリーズ)

初代ESP32として広く普及したシリーズで、2025年6月現在Amazonなど初心者向けに発売されている物はほとんどこのシリーズです。Wi-FiとBluetooth(クラシックおよびBLE)の両方に対応する高い汎用性から、ホビー用途から製品組込みまで幅広く利用されています。

  • 代表的なSoC: ESP32-D0WDQ6
  • 代表的なモジュール: ESP-WROOM-32, ESP32-PICO-D4

ESP32-S2シリーズ

初代ESP32からBluetooth機能を除き、代わりにUSB OTG機能を追加したシリーズです。より低消費電力な動作が特徴で、USBデバイスとしての応用が可能です。

  • 代表的なSoC: ESP32-S2
  • 代表的なモジュール: ESP32-S2-WROVER, ESP32-S2-MINI

ESP32-S3シリーズ

S2シリーズをベースに、CPUをデュアルコアに戻し、AI/ML(機械学習)向けの拡張命令を追加した高性能シリーズです。Bluetooth 5 (LE)にも対応し、USB OTG機能も備えています。

  • 代表的なSoC: ESP32-S3
  • 代表的なモジュール: ESP32-S3-WROOM-1

ESP32-Cシリーズ (RISC-V)

CPUコアにXtensaではなく、オープンソースのRISC-Vアーキテクチャを採用した新しい系統です。

  • ESP32-C3: Wi-Fi 4とBluetooth 5 (LE)をサポート。コストパフォーマンスに優れ、セキュアなIoTデバイス開発に適しています。
  • ESP32-C6: C3の後継と位置づけられ、Wi-Fi 6に対応。さらに、ZigbeeThreadといったIEEE 802.15.4ベースの無線規格もサポートし、スマートホームハブなどの用途に最適です。

ESP32-Hシリーズ (RISC-V)

Wi-Fi機能を搭載せず、Bluetooth 5 (LE)とIEEE 802.15.4 (Zigbee/Thread)による低消費電力無線通信に特化したシリーズです。

  • ESP32-H2: 低消費電力のエンドデバイスやボーダールーターなどに利用されます。

ESP32-Pシリーズ (RISC-V)

シリーズの中で最も高性能なCPUと豊富なペリフェラルを備え、グラフィカルなディスプレイ表示や高速な演算処理が求められるアプリケーションをターゲットにしたシリーズです。

  • ESP32-P4: 400MHzで動作するデュアルコアRISC-Vプロセッサを搭載し、ピクセル処理用のアクセラレータなどを内蔵しています。

注意:発売日は、チップメーカーであるEspressif Systemsの発表後、各モジュールメーカー(Ai-Thinkerなど)や販売店(スイッチサイエンス、秋月電子通商など)が製品を市場に投入するタイミングによって前後します。ここに記載したのは、市場で入手可能になったおおよその時期の目安です。

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